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風や光が告げる伝統・文化

独・クレーフェルト市

 「浜松・クレーフェルト日独アート展」(浜松ドイツ文化交流協会、中日新聞東海本社など主催)が来年3−4月、浜松市クリエート浜松で開かれる。浜松市との音楽、文化、経済交流が盛んで、2004(平成16年)年の浜名湖花博(しずおか国際園芸博覧会)への出展も予定しているクレーフェルト市をこの秋、表敬訪問した実行委員の中西美沙子さんに、準備が進む国際展の紹介と合わせ、訪問記を寄せてもらった。


文化の薫り漂うクレーフェルト市街 大きな木々と緑に抱かれるようにクレーフェルト市はあった。透明な空気の中で、町全体がガラスか水晶のように透けている。トラム(市電)が町の中央を走る。人々がゆったりと歩いている。風が立つと、木のにおいがした。この石造りの街は森が生んだ都市のようだ。風や光や町のたたずまいが、クレーフェルト市の伝統や文化そのものを告げていた。

  クレーフェルト市はドイツ北西部、ラインの左岸に位置する。人口は浜松の半分ほど。「死を意識した生きもの」ゆえに「最初の人類」とも言われるネアンデルタール人が発掘された場所も、近くにある。絹や織物、化学工業にその経済が支えられている町だ。2004年の浜名湖花博にも出展が決まっている。

  9月3日から5日までの三日間、浜松市議会議長・山下昌利氏と、参事・坪井秀祐氏とともに、クレーフェルト市を表敬訪問した。私は浜松ドイツ文化交流会のメンバーとして、また来年春行われる「浜松・クレーフェルト日独現代アート展」の委員としての訪問である。市からは、本当に心のこもったおもてなしを受けた。私たちは市長はじめ、市の関係者、経済振興社総裁アート展ディレクター、現代絵画の作家たちと交歓した。

クレーフェルト市長(右)に日本からの土産の舞扇を贈る筆者(中)と浜松市の山下議長  「浜松ドイツ文化交流協会」(会長・竹平安則氏)には両市の顧問、役員合わせて会員120人が所属している。現在、当協会2003年春開催の日独現代アート展の準備を進めている。浜松ゆかりの若手作家6人と、ドイツ現代アートの著名な作家ヘルベルト・サンクス氏ら5人の、絵画、インスタレーション約100点が出展される国際合同展だ。

  浜松は「産業はあっても文化度は希薄」などと、あまりうれしくない評価を内外からされている都市だ。クレーフェルト市を訪れてうらやましく感じたのは古い伝統と文化の中に新しい文化への志向が強くあること。「市立現代美術館」がその端的な表れだ。「新しいもの」を知ることが新たな文化を生み、そして過去の文化の意味をも知らせる、そんなことを感じた。

中世の城をバックに記念写真に納まる日独関係者  ドイツの現代アートは世界でトップレベルとか。そのドイツの作家と、浜松ゆかりの若手現代美術家たちとの合同展覧会は、私たちにとって「現代とは何か」を示唆するのにふさわしいものとなるだろう。それは浜松に生きる私たちの文化観にもかかわると思うからだ。

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