中西美沙子
ごあいさつ
プロフィール
講演活動
執筆活動
対談・座談
つかまえて!こころ
中西美沙子が主宰するホームページです。
あわせてご覧ください!
画廊キューブブルー
画廊キューブブルー
文章教室スコーレ
文章教室スコーレ
静岡県浜松市中区
元城町 219-16
TEL: 053-456-3770
FAX: 053-456-3795
マップ
お問い合わせはこちらから
ホームへ

エゴン・シーレ「抱き合うふたりの女 1911年」


 クリムトはシーレの師であり友人であった。彼は、師がモチーフにしていた「装飾性」を極端に排し、切り裂くような線で作品を描いている。古典的な表現は、「強い色や線」と「緩やかな色と線」のバランスで成り立っている。シーレの表現は、それとは違う独自のものだ。「つよい」と「ゆるい」から成る絵画は、見る者を安心させる。だがシーレの作品の多くは、「緊張」という絶対的な力で成り立っているようだ。それは、「エロス(性)」の一つのあり方を示唆している。エクスタシーという完璧な忘我状態の近くに、私たちを誘うのだ。装われた日常を剥がし、徹底的に事物の裸身に迫る目が、そこにはある。「タナトス(死)」へと繋がる視線でもある。シーレは28歳の若さで死んだ。人間の身体に漂う死の匂いを嗅いだ、罰のように。

 

浜松百撰 2010年9月号

 

Copyright(C) 2004 Misako Nakanishi. All Rights Reserved.