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相手思いやるやさしい言葉

白尾陽太郎(中2)

 「バスに乗っていてお年寄りが席を譲られた時『ありがとう』と言うより『すみません』と言う方が多いのでは」。故金田一春彦先生の「日本語のこころ」でそんな話を読んだ。
 それはどうしてかというと「私が乗ってこなければ、あなたは座っていられたのに、私が乗ってきたばかりにあなたがお立ちにならなければならない」。だから「すみませんね」と言うのではないか、と書いてあった。
 僕はこんなことを考えたことがなかったので、びっくりした。そして金田一先生は「これは日本人のこころの美しさをよく表していますね」と言っていた。「すみません」という言葉を僕も使う。人が使うのもよく聞く。でも、こういう思いや感情があって使っているなど考えたこともなかった。
 「だいじょうぶ?」や「ごめんね」も同じだ。相手を思いやったりやさしい感情が先にあって、それを表す「言葉」が生まれるんだと思った。最近の言葉は荒い。「やさしい言葉」がどんどんなくなっていくことは「やさしい気持ち」がなくなっていくことなんだ、と気が付いた。

中日新聞
2004年掲載

 

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