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違い感じ取り言葉に表して

小島佳子(高3)

 とても興味深いことを新聞で読んだ。国語学者の金田一春彦先生が亡くなられた日の「中日春秋」のコラムの中。「『アクセント』という単語はギリシャ語が語源で『(言葉に)付け加えられた歌』を意味する」という一節。そうか、だから「音声としての言葉」もやはり重要なのだな。そう思ったら耳から入ってきた音が急に新鮮な音に響いた。
  日本に生まれて日本で育ち、さまざまな人やものから日本語という言葉を学んだ。それも自然に。日本語には「雨」という言葉ひとつ取っても、たくさんの言い方がある。小雨、五月雨・こぬか雨や驟雨(しゅうう)など。たぶん日本の気候と深く関係するのだろう。
雨の多い国ではきっと、もっとたくさんの言い方があるのだろう。私は、その違いを感じ取って言葉にした昔の人々に感謝したいと思う。
  しかしそのようにデリケートな言葉が、最近はひとくくりにされてしまいがち。自分の感情のたくさんのかすかな揺れを「ムカつく」などの一言で表現してしまうのがそれだ。
言葉を丁重に扱わないことは、心を大切にしないことのように思える。

中日新聞
2004年6月17日掲載

 

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