鈴木重種 ガラス絵展
2008年12月6日(土)〜12月14日(日)
ガラス絵は、ガラス板の裏側から泥絵の具などの顔料を油や膠で定着させ、もう一方のガラス面から見るしくみの絵のことである。板ガラスの発達があって初めて出現した絵画表現で、起源は東欧諸国、おもにドイツのバイエルン地方に求められる。イコン(聖画)を中心に発展し、その技法は中国(清朝)に伝わり、江戸の終わりごろに日本にやってきた。中国及び日本のガラス絵の収集家内田六郎氏のコレクションは、浜松市美術館に収蔵され、質も高い。
その影響からか、鈴木重種氏は油絵を描く傍らガラス絵にこだわりを持ち続けてきた。油絵や水彩画などの技法と反対の行程をとるガラス絵は、工芸的妙味を感じさせ、余分な力が抜けて愛らしい。
鈴木重種氏のガラス絵も、彼の飄々とした人柄が滲み出た親しみのあるものになろう。
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