NEETよりNEEDでは河合奈々瀬(高2) 「今の時代は女も手に職を持つべきだ」。母は、私の進学の話になると口癖のように言う。金銭面で大学に行けず、希望の職に就けなかった母。彼女の言葉を聞くたびに「ああ、悔しかったのだな」と私は再認識する。
世の中は不思議だ。母のような人もいれば、もう一方では職に就けるかもしれないのに就かず、それどころか何もしようとせず家に引きこもる「ニート」(無業者)のような人もいる。
世間の親を見ていると、親以上のものを子どもに求める傾向がある、と感じる。純粋に子どもを思いやる気持ちだけでなく、どうも親のエゴが言動に見え隠れするような気がするのだ。
「NEET」は「NEED」と私は感じる。Tの文字はNEEDの誤植ではないかと、家族は気付くべきだと思う。人生の先輩としての親たちは、子どもの内なる声に注意深く耳を傾けるべきだろう。
朝日新聞 2005年2月1日掲載 |