自然サイクル壊してないか荒川仁(中学生) 僕の住んでいる町には新川という川があるらしい。名は知っていてもどこにあるかは知らなかった。なぜか?答えは簡単だ。コンクリートで川にふたをしてしまったからだ。その川には昔、タナゴやフナなどいろいろな魚がいたらしい。しかし町が発達するにつれ、川の水は濁り泥が堆積(たいせき)して悪臭を放つ。とうとう最後はふたをして、その上に駐車場を造ってしまった。
生き物はみな、自然のサイクルの中で、自然に生きている。植物は草食動物に食べられ、草食動物は肉食動物に食べられる。そして肉食動物は死んでしまったら、バクテリアに分解され植物の栄養になる。精密な輪ができているのだ。
人間は自然から多くのものをもらっているのに、その分の見返りをしているのだろうか。その輪を壊すようなことをしていないか。地球はもう、ぼろぼろだ。
僕の町の真ん中に川が流れていて、そこに魚や生き物がすみ、川岸には木が植えられている。そんな風になったら、すてきだな、と思う。 中日新聞
2004年6月11日掲載 |