とても奥深い和食のマナー

加藤静（中１）

　私はこの四月から中学生になりました。この前、一年生全員が参加する「入寮体験」がありました。学校の歴史や建学の精神、女性としてのマナーなど、たくさんのことを学びましたが、一番心に残ったことは「和食のマナーは奥が深い」このことです。
　 今まで当然のように使っていたおはしや無意識にやっていた食事の仕方、それをあらためて考え直すチャンスでした。ビデオを見ながら、一からおはしの使い方をやり、和食を食べるにあたっての注意事項や、はし遣いのタブーを教わりました。
　 和食というものは、日本人にとって切っても切れないものです。日ごろあまり考えたことのないそんなことが、とても新鮮でした。
　 また、どんなに難しい問題が解けても、どんなに高価な物を身につけていても、マナーがしっかりと整っていなければ輝けない、と思いました。今の日本はマナーが少しずつ失われているような気がします。今回の体験を通じて強く感じたことは、人の価値は「どれだけ高価なものを持っているか」ではなく、「日本人としてのマナーがどれだけ守れているか」ではないか、ということでした。

中日新聞
2004年6月18日掲載