顔見ないから感情も過敏に蜂須賀通海(中2) 「ごめんね。ごめんね」。新聞を読んでいると6年生の少女が謝っている。僕はこれは謝ってすむ問題じゃない、と思った。ネツト上で悪口を言われて友達を殺した少女のことだ。僕もメールをやっていて、いろいろ言われたり、チェーンメールが来たりする。悪口のメールは来たことがないが、冷やかすようなメールはたまに来る。この少女は、人の命をどう思っているのだろうと僕は思い、それからなぜこんな事件が起きてしまうのだろうと考えた。
もしかしたら、インターネットやメールなどの言葉は人の心を変えてしまうのではないか。殺された子は少女に嫌な言葉を送ったという。ネットやメールでは人と人とが顔を合わせて話すことがない。だからどんどん言ってしまう。相手の言う言葉も、それが怒っているのか、悲しんでいるのか分かりにくい。言い合いを始めると、人の悪口をひたすら言い続け、相手の良いところを見つけるより、悪いところばかり探そうとする。どんどん過激になり、最終的には手を出したくなるほどの気持ちになってしまう。
そういう経験があるから、僕はお互いに顔や表情の見えるコミュニケーションが、すごく大切だと思う。 中日新聞
2004年6月20日掲載 |