感動体験こそ思い出が残る広野恵(中2) 小学生のころ、浜松まつりの時に、波打ち際で砂に字を書いてみんなと一緒に遊びました。字は波に消されて何度も書き直しました。でも、消されてもちっとも悲しくありませんでした。そんなことより、書くことの方が楽しくて、夢中になっていたから。
結果ではなく、やっていることに楽しさを感じていたのです。そんな記憶や思い出は、誰にもあると思います。自分の中にずっと残り続ける思い出。 今はパソコン時代。クリックするだけで、簡単に保存したり消したりできます。でも、いくら優れたものでも、感動や楽しさは保存できない。だから、感動や楽しさは、私たちの心の中に、しっかり残しておくしかないのです。
パソコンは確かに優れていますが、人間はパソコンに保存できないものを保存できる。心の中に保存するのは、大切なことだと思います。 中日新聞
2004年掲載 |