中西美沙子
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れんげ畑と紙おむつ

野田大将(中1)

 4月の終わりに福井県まで出かけた時、田んぼが一面にピンクに染まっているのを見た。れんげ畑だった。僕の家の近くでは見ない光景だ。母の小さな頃は、どこでもよく見かけたと言う。れんげは田植え前に稲の肥料として、わざわざ種をまいて育てている。緑肥は化学肥料を使うより手間がかかるが、地球にも優しく、人間にも優しい。
 旅行を終えて僕は、「ゴミ問題」について今まで以上に考えようと思った。
 僕はゴミに関するアンケート表を作った。ゴミを減らすには何が大切か、考えたいと思ったのだ。色々な資料を見て学ぶだけでなく、自分が本当に「ゴミ問題」を知れば、何かできると思ったからだ。質問は16項目作った。僕の一番知りたいことは、人の「ゴミへの関心」と「ゴミを減らす努力」だ。小学校高学年から80代までの123人がアンケートに答えてくれた。集計してみて分かったことが幾つかあった。資源物回収をしている人は94%だったが、分別に自信があると答えている人は48%。一人暮らしになって初めて、ゴミに関心を持ったという大学生もいた。分別が苦手と答えた人のゴミで、一番多いものはプラスチック製品だった。分別に自信のある家庭の、生ゴミ・紙類と明らかな違いがあった。
 僕はここから、それぞれの家庭の、生活の違いを感じた。それは、出来上がった食べ物を買って来る場合と、家で作る場合の違いだ。僕も家でゴミの分別を担当している。アンケートをした後ゴミの分別をよく観察すると、母がご飯を作る時と、母が留守の時では明らかにゴミの種類が違っている。母が作る時は、野菜などの生ゴミがほとんどだ。それらは生ゴミ処理機で地球に戻せるものが多い。留守の時は、トレーやパックなどのゴミが多く出てしまう。僕もあまり考えずに食べ物を買っていたが、データを見て、生活の仕方を考えることが大事と気が付いた。
 他のアンケート項目で、僕が思ってもみなかった答えがあった。20代から30代の主婦の答えだ。家の中で一番多いゴミは紙オムツと、23%の人が答えた。紙オムツは当たり前のように使われている。しかし、アンケートに答えた人の85%が紙オムツは地球には優しくないと答えていた。答えと現実は矛盾している。
 一人の子供が2歳までに使う紙オムツは、11階建てのビルの高さ程になるという。紙オムツは燃やせるゴミと認められている。しかし尿や便の水分のために燃焼時の温度が下がり、ダイオキシンが問題となる。大切な子供たちの未来を守るためにゴミ問題を考えているのに、その子供が使っているオムツが、地球を汚しているのだ。僕はアンケートから、人のゴミに対する意識と行動に、ずれがあると感じている。そのずれを埋めてこそ、地球は守れるのだ。そう考えた時、あのれんげ畑がより鮮やかに蘇ってきた。

イオン主催、ユニセフ後援
「ドイツに学ぶエコライフ 作文コンクール」 入選作品

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